Q1. (1)「ワンストップでコンサルティング」とありますが、具体的にはどういうことですか?おきかせください。
   
A1.(1)  会社を経営していくということは、種々な法律関係が絡んできます。勿論その業種形態にもよりますが、それぞれの法律の専門家(弁護士、税理士、公認会計士など)がそれぞれの分野についてアドバイスをしていくものと考えられます。しかし、実際はそれぞれの専門家のアドバイス通りにしておりますと、例えば、税務と労務などといった感じでつじつまが合わなくなる場合が多いものです。当事務所では、その異なる分野について総合的(当事務所の場合は、税務、労務、行政、不動産関係)にコンサルタントが可能、つまりワンストップでご相談が出来るということです。
   
   
 Q1. (2)大まかには解りました。「つじつまが合わない」とありますが、実際にはどんな実例がありましたか?
   
A1.(2)  例えば、建設業についていえば、税務申告のための申告書と経営審査・入札をす   る場合に税法では認められている処理が経審用の財務諸表だと表示の仕方が違っていたりします。それでしたら最初から経審にあわせた会計処理で税務申告してればよい訳です。また経審の点数などに合わせて税務と許認可を考えた上での処理、または、将来の方向性などの経営相談にも応じられます。
   また、従業員の労務管理についても、給料の計算だけでなく、その給料の決め方や退職金の扱いその他税務上どうしたら節税できるかというだけでなく、労働基準法その他の労働関係の法律にかなうように設定が出来ます。昨今、割増賃金の支払や不当な解雇などに対する紛争が絶えません。このような問題には、ひな型に単に数字をいれただけの就業規則では対処ができません。その会社にあった就業規則を作成できるだけでなく、助成金や在職老齢年金等の指導も行えます。
   
   
Q2. 事務所の特徴を教えてください。
   
A2.  当事務所では親切丁寧をモットーにしております。新しい分野については長男福島泰彦が日々精進しており、また経験の長い父福島祥郎が2人で経営しております。  資格者本人が直接担当致しますので、安心して相談していただけます。
   また、かしこまって相談するイメージの強い事務所ではなく、ざっくばらんに気兼ねなくお話が出来る場所と思って頂けると思います。(雑話、小話については  同掲載のブログにアクセスして下さい。)
   
   
Q3. (1)18年度の税制改正についてお聞かせ下さい。
   
A3.(1)  スペースの都合で簡単に説明させて頂きます。所得税関係については、まず税率変更(下記参照)と定率減税の廃止(18年は10%最高12.5万円、19年廃止)、それに伴う給与等に係る税額表の見直し、また地震保険料控除の創設、既存住宅  の耐震改修をした場合の特別控除制度の創設、寄付金控除の適用下限額の引き下げ  が行われます。
   法人税については、役員給与の損金算入の扱い、オーナー会社の役員報酬、交際費課税の見直し(1人当りの飲食費が5,000円以下のものの損金算入が認められる)  少額減価償却資産(年間300万円以下)、同族会社の留保金課税、中小企業投資促進税制の拡充、試験研修費の税額控除制度、情報基盤強化税制の創設について改正  されました。
   相続税については物納制度の見直しが行われました。その他詳細についてお知り  になりたい方はメール又は電話にてお問い合わせください。
      〔 税額表 〕
 

課税所得195万円以下の金額 

税率5%
  課税所得330万円以下の金額 
税率10%
  課税所得695万円以下の金額 
税率20%
  課税所得900万円以下の金額 
税率23%
  課税所得1,800万円以下の金額 
税率33%
  課税所得1,800万円超の金額   税率40%
   
   
 Q3. (2)オーナー会社の役員報酬について具体的にどのような改正があったのですか?
   
A3.(2)  同族会社の業務を主宰する役員(業務主宰役員)及びその同族関係者が発行済   株式総数の90%以上の株式を有し、かつ常務に従事する役員の過半数を占める場   合等には、特殊支配同族会社として、その業務主宰役員に対して支給する給与の   うち給与所得控除に相当する部分として計算される金額は損金不算入となります。   ただし、次の場合にはこの措置の適用から控除されます。
  @基準所得金額が年800万円以下である場合
  A基準所得金額が年800万円超3,000万円以下であり、かつ基準所得金額に占め   る業務主宰役員の給与額の割合が50%以下である場合
   なお、上記の文章ではわかりずらいという方はメール下さい。
   
   
Q4. これから飲食店を出店しようと思います。1円で株式会社が設立できるとききましたので、会社にしようと思うのですが・・・。
   
A4.  確かに1円でも株式会社を設立する事が出来ます。会社を作ろうとする意思や規模にもよりますが、私の考えを述べさせて頂きます。
   まず税務的には、個人と違い、オーナー社長も毎月決まった報酬を受けること   になります。また、赤字になった場合にも県・市町村の均等割を負担することに   なり、さらにQ3で説明したオーナー社長の役員給与の規定も適用されます。また、初年度に売上1,000万円をあげたとすれば、3年目には消費税の支払義務が生じます。(個人の場合では、個人で2年、その後法人設立をするとまた2年、合計で4年間消費税の支払義務がないことになります。)交際費についても個人だと全額経費計上できますが、法人だと全額は損金算入はできません。
   また、労務的には、法人は社会保険の強制加入適用事務所となりますので、夫   婦2人でやっていたとしても社会保険に入らなくてはなりません。また、国民年   金をいままで払っていないということになると、最低の25年加入を満たすこと   ができずに、年金を貰えないということもありえます。さらに許認可の方でも、   個人と法人では全く別ものなので、最初から法人でとった方が2度手間を防ぐと   いう考えと、また規模が小さいので個人として許認可を受けた方がいい等、規模   と仕事内容がかなり関係してきます。
   つまり、法人については個人よりも運営にお金がかかるとともに、社会的責任   も重くなるといってもいいと思います。また法人についてはこうした規制がある   ゆえに、社会的信用も個人よりも大きいといえます。簡単に説明致しましたが、   その他にもケースバイケースでどっちが有利だという断定はできませんので、個   別に相談して頂けるとありがたいと思います。
   
   
Q5. 継続雇用制度について簡単に説明を願います。
   
A5.  改正高年齢者雇用安定法により、現在の60歳定年から段階的に65歳まで延長されることになりました。これは、公的年金の支給開始年齢が段階的に引き上げていくのに伴い、雇用延長の年齢を引き上げていく仕組みとなっています。経営者の立場からすれば、60歳以上の従業員の就業形態、賃金体系、退職金設計、在職老齢年金、高年齢雇用継続給付などいろいろな問題が噴出してきて、企業の経営に大きな影響を及ぼすことになります。
   施行日の平成18年4月1日から直ちに65歳までの雇用延長が義務付けられるのではなく、平成25年度までに年齢を引き上げていくので、現行の60歳定年に近づいている中高齢者がいる場合には段階的に雇用を図っていくことも選択できます。
     
   平成18年4月1日〜平成19年3月31日 62歳
   平成19年4月1日〜平成22年3月31日 63歳
   平成22年4月1日〜平成25年3月31日 64歳
   平成25年4月1日〜 65歳
   
   法律では現在の60歳定年が、平成18年4月1日以降62歳となり、それから段階的に65歳まで延長されます。企業としては、法律どおりのスケジュールで延長するのかを検討しなければなりません。
   雇用延長の方法については、会社は、次の3つの選択肢の中から、いずれかを選択することになります。
   (1)定年年齢の引き上げ
   (2)継続雇用制度の導入
   (3)定年の定めの廃止
   ここで考えなければならないのが、これに伴う賃金をどうするかということです。年功序列のまま定年年齢を引き上げれば人件費が大きくなってしまいます。(1)や(3)を導入するには、賃金体系の見直し(60歳に達する前に予め賃金を下げておく等)が必要となり、困難が予想されます。(2)の継続雇用制度は、雇用条件(賃金、短時間勤務など)を変えることが可能であり、制度が気に入らず従業員が自主的に退職するのは自由です。(2)のもう1つのポイントは労使協定によって対象者を限定できるという点です。また労使協定を締結するために努力してもまとまらない場合は、会社側が就業規則で定めることができます。ただしこの特例は中小企業(300人以下)は平成23年3月31日までです。また限定するにあたっては、判断基準が具体的かつ客観的であり、従業員が予見可能である基準が必要です。
   以上のことをふまえ、高年齢者の継続雇用のためには、定年延長、継続雇用制度の導入に伴い、賃金体系の見直し、就業形態のあり方、退職金の設定、能力開発、安全衛生面での配慮など、多くの面で今までと違った考え方で取り組まなくてはならなくなります。この様な様々な問題の解決策を就業規則により文書化しておく必要があります。
   また、助成金を活用する際にも、就業規則の変更が必要となることが多くなるのが現状であり、新たな労働問題に対処するためにも見直しが必要かと思われます。しばらく前に作成した就業規則が現在の状況とかけ離れてしまっている場合や会社のきまりをしっかりとしておこうと思っている場合には、この機会に新たに就業規則を作り直すのもよいと思います。